次の日、アネットは学校から帰るとすぐに街に出た。といっても、すでにアネットには心当たりがあった。子供たちがピノキオのおじいさん、と呼んでいる人で、木彫りの人形を作って売っている店があった。そこでパドルを売っているのを見たことがあったのだ。店は開いていた。そして、店の奥に小さなパドルがひとつ置いてあった。
4時25分着のバスでママは帰って来た。二人はすぐにそのお店に行った。
「 あの〜、このお店にパドルがあるって聞いたものですから・・・・」
「 パドル? 子供さんのおしおき用のやつかね?」
「 えぇ、そうですわ、ありますかしら・・・・・」
「 あるとも、いろいろ種類もあるが・・・・その娘さんに使うのかね」
「 はい。そうなんですよ」
( うぅっ、ママのいじわるぅ)
アネットの顔がパーッと赤くなったが、老人とママは平気な顔で話しつづけていた。
「 お嬢ちゃんはいくつになるね」
「 もうすぐ15歳になるんですよ」
「 そうかね。それじゃあまだお仕置きが必要だねぇ。この頃の子供は大きいから、もう17歳くらいかと思ってね」
「 なりばかり大きくなって、やることといったら子供と同じ・・・」
「 みんなそうさ、そうしちゃあ母親に尻をいやってほど叩かれて、だんだん大人になって行くのさ。さあ、奥からパドルを取って来ようかね」
老人が奥に引っ込むと、アネットが近づいて来て小さな声で、
「 ママのいじわる、なぜ私のだなんて言うの」目が怒っていた。
「 あら、ごめんなさい。いけなかった?」
「 そうよ。恥ずかしくってもうこのお店には来られないわ」
「 そんなことありませんよ。あの人の仕事なんですからね。いちいち気になんかしませんよ」
やがて奥からひと抱えもパドルを持ってきた。そして仕事机の上にガラガラと音をたてて置いた。
「 まあ、きれい。こんなきれいなパドル、私初めて見ましたわ。アネットもここに来て見てごらん」
( ママったら・・・名前まで教えてしまったわ。きらい!)
「 アネットというのかね。いい名前だ、私の作ったパドルにはみんな、名前を入れてあげるようにその場所が作ってあるんだ」
「 まあ、焼印で?」
「 いや、私のは手彫りさ」
「 ぜひお願いしますわ・・・」
「 どれにするかね。これは・・もうお嬢ちゃんには小さいかな、前に使っていたのはどうしたのかね、割れてしまったのかい。それならこれがいい。板は薄いが木は樫木を使っているからね、丈夫だよ。それによく効く。名前はここに入れるんだが、いいかね。(固い樫の木がアネットのお尻を温めて良い子にしてくれる)どうかね」
「 とてもいいわ。こちらは何の木ですの・・・」
「 ん、あぁそれはスプルスさ、樫よりずっと柔らかい木だよ。女の子だからその方がいいか・・・」
「 そうですねぇ、樫の木じゃ少し可哀相ですわ。とても痛いでしょ」
「 はっはっは。奥さんはこれで叩かれたことがあるんだね」
「 はい。ございますとも、昔はねぇ−」
「 そう、昔の親は怖かったねぇ。それじゃ、そっちのにするか。名前は一番上に入れればいいのさ(アネットが良い子になるまで。このパドルは何度でも悪いお尻を叩いて矯正してくれる!)どうだい」
「 けっこうです、それに名前を入れてください。時間がかかりますかしら?」
「 いや、10分位で出来るよ。待っていなさるかね」
「 はい。それなら待たしていただくわ」
老人はすぐに仕事を始めた。ママは興味深そうにその仕事振りを見ていた。と、その時二人の子供を連れた婦人がお店にはいって来た。男の子は10歳位そして女の子は12歳位だろうか、しばらくは連れ立って店に飾られているお人形を眺めていたが、だんだん仕事机の方に近づいていった。アネットはお店から逃げだしたくなった。
「 まあ、きれいなパドルだこと。手作りですのね」その婦人が老人に尋ねた。
「 はい、奥様。このお店のものは全部私の手作りなんですよ」
「 そうでしょうね。機械で作った物とは比べられませんよ」婦人は感心したようにうなずくと、アットレー母娘を見留め、「失礼ですけど、このパドルをお求めになりましたの」と聞いた。
「 はい。あんまりきれいに出来ていたので、娘のを新調いたしましたのよ。このお店は娘が見つけましたの・・・」
「 まあ、えらいわ」そう言ってアネットの方を見た。
「 アリス、ここにおいで。いいこと、あのお姉さんはママに頼んでお尻を叩くパドルを買ってもらっているのよ。どうしてだかわかるかい。それはね。もうめったに叩かれることがないから、こうして平気でパドルを買ってもらえるのさ。おまえのように毎日毎日お尻を叩かれている子にはわからないでしょ。おまえも、あの・・・アネットさんのように良い子にならなくてはだめよ。いいね!」
「 はい、ママ」
「 まあ、素直なお子さんですこと・・・」
「 いいえぇ、こんな時だけ。お嬢様とは大違いですわ」
「 うちのも、まだまだですわ。だから時々これが必要になりますの」
「 まあ、そうでしたの。おいくつ・・・17歳位?」
「 いえいえ、まだ15歳ですのよ」
「 それなら仕方ありませんわ。躾には一番いい頃ですもの。15歳から16歳くらいが恥ずかしい盛りですもの。私にも覚えがありますわ。奥様だってそうでしょ。母なんて、たった一言『お尻!』って言うわけですのよ。つらくてねぇ、ずいぶん泣きましたわ」
「 まあ、いいことうかがったわ。『お尻!』たしかにそれで充分ですわね。よけいなこと言う必要ありませんもの」
「 さあ、出来ましたよ」
「 まあ素敵、お名前がもうはいったのね。見せて下さる、えーと『アネットが良い子になるまで。このパドルは何度でも悪いお尻を叩いて矯正してくれる!』そうよ。その通り!」
(何がその通りよ! いやな人。そんな大きな声で読まなくたっていいじゃないの。ママ、早くお金払ってお店を出ましょうよ)
(中略)
ジュリアン(母親)が予告した通りそれから二年、アネットはママのお仕置きをたっぷり味わうことになった。何が気に入ったのかママは、あの時お店に来ていた女の人の言った『お尻!』っていう一言しか言わなくなってしまった。
ママの口からその一言が出たら、もう絶対に許してはもらえなかった。その時は自分でスカートを捲りパンティーを下げてお尻を出さなくてはならないのだった。
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