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「 ロシヤ宮廷の踊子」 の本表紙は山吹色ですが、味気ないため、内表紙(左の画像)を載せました。
昭和26年11月に発行されていますが、この半年後の昭和27年5月には「南北戦争」が発行されています。
更に翌年には 「 アリスの人生学校 」 が出ていますので、当時の愛好者の方はさぞ御満悦だったことでしょう。
丸木砂土著 「世界艶笑芸術」 によると、E ・Dの本名はジュム ・ウランとされています。
(EDが)1878年にパリで巡り合ったロシヤ王立劇場の踊子マリースカの手記という形式で物語が設定されていますが、訳者 ・辻好夫氏によると、手記の信憑性は高く、「本書は作者E
・Dが実在のバレリーナの手記をもとにして書いた、
秘められたる記録 」 と記されております。
帝政ロシヤに於ける農奴制では貴族たちが城中にバレー学校を設け、容姿端麗な奴隷娘たちをバレリーナに仕立てることが多かったようです。しかし、彼らが美しい農奴女優たちを残酷的に折檻したことは、他の多数の農奴たちとなんら、
その扱いにかわることはなく、舞台で裸体にして尻鞭を与えることは、日常的だったようです。そして、観衆達はバレー
そのものよりも、訓練の手段を見物しに来場するのが目的であり、貴族文化の余興にされていたようです。
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