The Introvert
娘の成長 |
その間、わたしがローラとの生活をどんなに満喫したか想像するに難くないと思う。 ただ変化といえば、ローラが今ではすっかり大きくなって、優雅な娘に成長していることだ。 わたしには、この少女と出会ったのがつい昨日のことのように思えるのだが・・・。 変化といえば、もうひとつあった。それはローラがわたしのことを「パパ」と呼ぶようになっていたのだ。
私たちはよく鏡を横目に、お互いの後頭部を重ねあって「背較べ」をしたものだが、わたしはいつも情けない思いをさせられていた。 わたしはそのたびにローラに笑われていた。 そんな娘の成長ぶりを一番喜んでいたのは私だった。何しろ、彼女が十三歳のときに引き取って以来、手塩に掛けて育ててきたのだ。 いずれ、ローラも私の許から去っていく日がくるだろう。しかし、できることなら少しでも長くわたしの掌にのせておきたかった。
今はローラも自分からお仕置きを望んで、わたしを挑発するようないたずらはしなくなっていた。
午前様だったり、ひどく振舞ったときには、今でもローラをわたしの膝にのせ、お尻を強くたたいて罰を与えた。 しかし、成長した娘にとって、わたしのこのハレンチなお仕置きは随分と屈辱的な仕打ちだったと思う。 ローラはときにひどく口答えをしたり、全身で反抗することもあって、わたしには少々、手に負えないこともあった。 「お尻をだしなさい!」 この言葉がわたしのお仕置きの宣告で、いまではもう決まり文句になっている。 その後、娘の表情はどんどん幼くなって、いつも抵抗することなく、美しく成熟した肉体を惜しげもなく私の膝に預けたものだ。 時に手に負えない大きな娘も、お仕置きのときだけは、まるで抵抗を知らない無力な赤ん坊のように思えた。
よく晴れた休日のこと。 「また、おねだりかい? わたしは安月給なんだよ」 「おねだりじゃないわ・・パパ、まさか忘れたの? 今日はあたしの十八歳の誕生日なのよ」 「・・・あ! これはうっかりしてた。すまん、すまん。つい忘れてたよ」 「もう〜パパったら〜、近頃、物忘れがひどいんだから」 「よし。じゃあ出かけよう。ところでおまえは何を買って欲しいんだい?」 「まだ決めていないわ。お店に行ってから選びたいの。とにかく早く出かけましょ」 娘と一緒に出かけるのは久しぶりだった。最近はもう、滅多にわたしを誘わなくなっていたからだ。 「パパ、これ買ってもいい?」 「・・・・・・」 「ねぇ、いいでしょ? パパは会社でパソコン音痴だって言ってたし」 「わたしにも使わせてくれるのかい?」 「もちろんよ。あたしが先生になって厳しく指導してあげるわ。そのかわり怠けたりしたらお仕置きよ」 「わかった。これに決めよう。早くしないと売り切れちゃうぞ」 わたしは娘の言動に妙な昂奮を覚え、結局、高額なパソコンを買わされてしまった。
いつもこんな風にわたしを手玉に取るのだった。 |
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