Roman Books
抜粋




【トップモデル】   作者不詳 小沢瑞穂・訳  昭和58年発行
(原題 Them,Bantam Books)
パパがもどってきた。驚いて顔をあげた。たった今、朝食のテーブルにすわっていた私の頬にキスをし、いつものように早々とオフィスに出かけて行ったばかりだった。父は口ぐせのように、パパはおまえのために一生懸命働くのだと言っていた。すでに信託銀行の預金もあったので、私が将来お金に困ることはなかったし、年ごとに増える年収でその安定度も増していた。
 
 顔をあげたとたん、息がとまりそうになった。そんな父の顔は見たこともなかった。青ざめ、唇の色もなく、ワシのような目は二つの空洞のようだった。


「アリス。こっちに来い」 

父の声とは思えなかった。 私は震えながら、立ち上がった。

「パパ! どうしたの?」

「来いと言っているんだ」


(中略)


激しい言葉の攻勢に、私の体はひどく震えていた。

「ごめんなさい、パパ、許して。もう絶対にしません。約束します」

父の口元がきゅっと引き締まった。

「あやまってすむことじゃない。この日は今後、一生おまえについてまわるんだ」

いよいよきた。パパは私を殺すつもりなんだわ。殺されたっていい、みんな、私がクランシー通りのおしゃぶり屋だって知っているんだもの、もう学校にだって行けないわ。私は半狂乱だった。


「お尻を出すんだ」

「えっ?」

一瞬、父が外国語を口にしたのかと思った。

父は声を荒らげた。

「聞こえただろう。ベッドにうつ伏せになって、お尻を出すんだ」

私は白いショートパンツに、男物のシャツを着ていた。白は、私の小麦色の肌にとても映えるのだ。冬でも、いつも小麦色に焼けてるように見えた。 それに、ショートパンツだと脚が一段と引きたつことも知っていた。男の子も含め、男という男は必ず振り返って見た。

震える手でショートパンツのファスナーをおろすと、足首まで落ちるのがわかった。

「シャツもだ」

シャツも脱ぐ。ブラジャーとパンティだけになった。中央にうす青いバラの模様がある白地のパンティだ。
とても父の目の前ではパンティを脱げなかったので、後ろを向き、ベッドにうつ伏せになる。

・・・・
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