Roman Books |
抜粋 |
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マンフレッドは仰天して彼女の顔を見つめた。 「私みたいな初めてお宅にお邪魔した人間に、娘さんたちのお仕置きを頼むんですか? この子たちはそんなにしつけが悪いんですかね? とてもそんなふうには見えませんけど」 「ああ、あたしの説明が足りなかったようね。この子たちのしつけには問題ありませんよ。これは将来にわたっても、この子たちが行儀よく振る舞えるようにとの教育の一つなの。そうだわね、ふたりとも?」 「そうです、ママ」 二人の娘が声を揃えて答える。 マンフレッドは、いったいどういうわけでこんなことになったのかと困惑し、どうやって一刻も早くここから抜け出そうかと途方にくれてしまった。しかしうまい口実も見つからず、こうなったら娘たちのお尻に軽く平手打ちをくわえてやって、さっさと放免してもらうにかぎると思いいたった。 「おっしゃるとおりにいたします、マダム。どうやったらいいのか教えてください」 「有難う、心から感謝しますよ。そうだわね、娘たち?」 「はい、そうです、ママ」 ふたりがまた口を揃える。 「これには必要なきまりがあるの」 フラウ・ブッシェンドルフが説明し始める。 「モニカはもうすぐ大人になるんですから、十回の平手打ちをお願いします。アンジェリカはまだ子供だから六回でいいの」 「しかし、この家のきまりなら、どうしてご自分でなさらないのです?」 マンフレッドはいぶかしそうに聞いた。 「肝心のことがお分りになってないようね。このお仕置きは男の方にやってもらわなければ効果がないの、母親では駄目なの」 「それはまた、何故です?」 「娘たちに自分の立場というものをわきまえさせるためですよ」 マンフレッドはこの一家の教育方針を理解することをあきらめることにした。 「僕には家庭教育の経験はありませんが、でも、ベストを尽くしてみましょう」 「さあ、ふたりとも、仕度をおし! ヘル・フォン・クラウゼンベルクは、お会いした時から心の優しい方だと思ってましたよ」 言いながら彼女が椅子から立ち上がり、つられたように彼も腰を上げた。二人の娘もソファーからぱっと立ち上がる。 「上着をお取りになったほうがいいわ」 フラウ・ブッシェンドルフが注意する。 「そのほうがやりやすいでしょう。なんといっても力強い手が大事なんですからね」 彼は素直に上着を取り、それをきちんと二つに畳んで椅子の背に掛けてくれるモニカをじっと見つめた。 「いつもモニカから始めるの」 フラウ・ブッシェンドルフが言う。 「歳上としての義務でもあるの。正しい応対こそが重要なんですからね」 「確かに、そうでしょうね」 マンフレッドは言いながらも、彼女はいったい何を考えているのだろうと、不思議でしかたがなかった。 「さあ、モニカ、仕度をなさい」 母親らしい厳しい声がとぶ。 マンフレッドは、少女がお尻を叩かれるために身体を前に曲げて、自分の爪先を両手で握り締めるものだとばかり思っていた。しかし、彼の予想は間違っていた。モニカはグレーのスカートを腰までまくり上げ、もうすっかり成熟した太腿と、真っ白なニッカーズに包まれたお尻をむき出しにすると、ソファーの上に仰向けに寝て、両膝を胸にくっつくまで引き上げた。そのために見事な丸みを見せるお尻がマンフレッドの目にはっきりとさらされる。 しかし、びっくりしている彼を、続いてまた新たな驚きが襲った。モニカはニッカーズの両脇に親指をかけると、なんのためらいも見せずにするするとヒップから剥ぎ取り、いっきに太腿の下までおろしてしまったのだ。否応なしに彼の目は、その二つのつるりとした大きな丘を見つめることになってしまう。 「お仕置きは裸のお尻にくわえられるのが一番いいの」 フラウ・ブッシェンドルフが説明する。 「恥ずかしさがいっそう効果を高めてくれるってわけ」 「なるほど」 マンフレッドはうなずいたものの、今や彼は、とても正気とはいいかねる連中と関わりあっているような気持ちになっていた。 「でも、何故こんな格好をする必要があるんです? すごくやりにくいように見えるんですがねえ」 「これは明らかに理由があるの。だって屈んでたら、この子にはあなたの顔が見えないでしょう? この子たちには、あなたの顔色を見つめさせ、けっして怒ってこういうことをしているんではなく、自分たちのために義務を果たしているんだということを、はっきり分らせることが大切なの。さあ、準備がいいのなら、十回の平手打ちを始めて頂戴」 マンフレッドはモニカの顔を見つめ、こういう行為を彼女がどういうふうに受けとめているのか探ろうとした。 しかし、モニカは感情の動きを見せる表情を何一つ浮かべてはいない。やむをえず彼は心をきめてソファーの上に膝をつくと、あまり力を入れずに手のひらを彼女のむき出しのお尻に叩きつけた。 「一つ!」 フラウ・ブッシェンドルフが高らかに数え上げる。 もう片方の丘に手を振り下ろすと、また母親の、「二つ!」と叫ぶ声が聞こえてくる。彼がいま占めている位置からは、単になめらかなヒップの二つの丘だけではなく、淡い茶色がかった薄い茂みに覆われて、こんもりと盛りあがっている中心の谷間までが、はっきりと目に入ってくる。そこは今まで目にしてきたどんな娘のよりも愛らしく見え、マンフレッドは母親の、「はい、十よ!」という声を聞くまでそこから目を離せないでいた。 妹娘のほうもソファーの端に身体をもたせかけるようにして、今やうっすらとピンク色に輝いている姉のお尻をじっと見つめている。 「見事にやってくださったわ」 フラウ・ブッシェンドルフが声をかける。 「さあ、なんて言うのかしら、モニカ?」 「ほんとに有難うございました。ヘル・フォン・クラウゼンベルク。あたしが覚えていなくてはならないことをお教えくださったことに感謝いたします。あたしはこのレッスンをけっして忘れずに役立てることをお約束します」 モニカはなめらかな口調で言ったが、それは明らかにいつもの決まり文句のようだった。 |
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