Big Daddy

厳しい尻たたき




その夜、父と娘はリビングルームで向かいあっていた。
親子で会話をするのは実に久しぶりのことだ。

「トレイシー、よく聞きなさい。最近のおまえはどうもよくない。すぐ反抗的になるわ、毎日のように夜帰りするわ、まったく始末に負えん。 パパはこれからおまえを厳しくしつけるつもりだ」

「もう〜パパったら、お説教はうんざりよ。あたしが一体、何をしたって言うの?」

「よいか。明日から門限は9時だ。それに朝はもっと早く起きなさい」

「そんなのいやだわ。だって、せっかく夏休みだっていうのに」

「パパの言う通りにしなさい。口答えは許さん。それにもうひとつ、おまえに重要なことを言っておく」

「何かしら? 重要なことって? あまり興味ないけど」

「悪さをしたり、言うことを聞かない時は、たっぷりとお仕置きをする」

「お仕置き? なんだかやらしいわ。一体、あたしにどんなお仕置きをするつもり?」

「パパの膝の上にのせて、おまえのお尻をうんとたたいてやるのさ」

「・・い、いやだわ、あたし。そんなこと絶対、させないから」

娘は大きな瞳で父親を鋭く睨みつけた。

しかし、ジェームズは意外だった。この宣告はてっきり一笑に付されると思い込んでいたのだ。
ところが、娘はいまの言葉を真剣に受けとめたのか、頬を真っ赤に染めて、防衛的な態度になっている。
そういえば、十二歳で母親を亡くすまでは、妻によくお仕置きをされていた。ひょっとして、まだ記憶に新しいのかも知れない。


「いいや、そうはいかない。もし抵抗するものなら、もっとひどくお尻をたたくことになる」

その時、娘はなんとも皮肉な笑みを浮かべた。

「何だ、その態度は! 一体、何がおかしい?」

「ひょっとして・・パパったら、スパンキングマニアじゃない? あたし、聞いたことがあるわ、スクールガールのお尻をたたいて、興奮する大人がいるんだって」

「馬鹿言うんじゃない! 俺は父親だぞ、一体、おまえは何を言ってるんだ!」

「ふん、どうだか。ママは美人でもてたのよ。どうやらあたし、パパの種じゃないかも知れないわ」


その時だった!


ドカーン! ガシャ! バリーン! リーン! 


ジェームズは、いきなり目の前のテーブルをひっくり返した。


ピシー! ピシー!


更に娘の柔らかい頬を鋭く平手打ちにすると、長い髪を荒々しくわしづかみにした。
そして強引にそれを引っ張ると、娘の体を自分の膝の上に俯伏せに抑えつけてしまった。


「いやよ、パパ! 何するのよ! もう子供じゃないんだから〜、やめて〜」

「何だ! その口の利きかたは! パパがどれだけおまえのことを心配してると思ってるんだ!」


父親は、娘のスカートを一気にまくりあげた。そして、真っ白なパンティに手をかけると、思い切ってそれを膝まで引きずり下ろした。


「いゃあ〜ん! やめて〜! 何するの、変態! 警察を呼ぶわよ」


しかし、この粗野な言葉は、父親をますます逆上させる羽目になった。

父親は、右手を高々と振り上げると、渾身の一撃を豊かな膨らみに放った。


パシーン!


そして、続けざまに高慢な娘のお尻を強くたたき始めた。


パシーン! パチーン!  ピシーン! パシーン!


「やめてったら〜、そんなに強くぶたないで〜、いたぁ〜い! あぁ〜ん」


しかし、父親の平手打ちは容赦なく、回数を重ねるごとに強みを増していった。


パシーン! パチーン!  ピシーン! パシーン!


「いたぁ〜い! あぁ〜ん、ごめんなさ〜い、 パパ! 許して〜」


さきほどまでの生意気な態度とはうって変わって、いつしか娘は涙声で哀願を繰り返していた。
そして、激しく尻をくねらせながら、熟れた両脚を小さな子供のように蹴り上げていた。

打擲を続けるなか、ジェームズの心は怒りと彷徨の狭間に揺れていた。
娘のお尻がすっかり色っぽくなっていたからだ。いかに自分の娘とはいえ、エロチックなむきだしの肌はあまりにも眩しかった。

そして百回の平手打ちで、ようやく打擲を止めた。もう娘のお尻は鮮紅色に染め上げられている。


「さぁ、立つんだ。そしてパパがいいというまで、尻を出したまま部屋の隅に立ってなさい!」


トレイシーは泣きながら、よろよろした足取りでコーナーまで行くと、素直に父親の命令に従った。
大粒の涙がとめどもなく溢れ出て、初々しい頬を伝っていた。

あまりの突然の出来事に恥辱や苦痛にも増して、恐怖に打ちのめされているに違いない。
美しい両脚は諤々と震えていて、すっかり怯えきっている様子がよくわかる。


ジェームズは後悔していた。度が過ぎたかも知れないと思ったのだ。

早速、奥の部屋に行って、ヘレン先生に電話をかけてみた。


「夜分に恐れ入ります。実は、いま娘をお仕置きしているのですが・・」


ジェームズはことの成り行きを一部始終、詳しく説明した。


「よ ござんす。何も後悔なさることはありません。ただひとつだけミスをおかされました」

「何でしょうか?」

「頬はいけませんよ。かならずお尻をたたいてください。頬は暴力、尻は折檻。たたく肉体の部分で愛情の有無が決まるのです」

「こ、これは軽率でした。つい、感情的になってしまいまして・・」

「でも、よくぞ勇気を出されましたね。それにしても、演技でテーブルまでひっくりかえすとは・・オホホホホ・・おたくもなかなかの役者ですわ。せめて、食器類を片付けてからおやりになればよかったのに」

「こんなとき、あいつが生きていてくれたら・・ところで今からどう対処すればよいでしょう?」

「30分で解放しておやりなさい。そして、娘さんをしっかりと抱きしめておあげなさい」

「わかりました。どうも有難うございました」


ジェームズは再び、リビングルームに戻ってきた。
娘は言いつけたとおり、尻を出したまま素直に壁に向かって立っている。

父親はそんな姿を見て、急に娘が愛しくなってきた。
そして、あたり一帯にちらばった食器の破片をきれいに掃除し終えたころ、ちょうど30分が経過しょうとしていた。


「さぁ、トレイシー、もういいだろう。こちらを向きなさい」


美しい瞳には、まだ大粒の涙が溢れていた。

まるで小さな子供が親に何かを訴えるような、あの素直な表情に戻っている。
それは娘の幼少のころを想わせる懐かしい表情だった。

左の頬には紅い手形の跡が痛々しく刻み込まれていた。

この時、ジェームズは初めて、ヘレン先生のアドバイスの意味がわかったような気がした。

トレイシーは泣きながら父親の厚い胸に飛び込んだ。そして、ジェームズもしっかりと愛しい娘を抱きしめた。


「あぁ〜ん、ごめんなさい、パパ。 これからはもっといい子になります。だから、もうこんなにひどくぶたないで」

「パパも悪かったんだ。いままで甘やかしておいて、急に厳しくしたんだから」


そして、父と娘はリビングルームの中央で長い間、抱き合っていた。



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